動物の「皮」を「革」に変える鞣しの手法ですが、鞣しの方法によって、同じ「皮」でも全く違う性質を持った「革」に変わります。また、仕上げ加工によっても全く違う表情を見せますので、弊社では利用するシーンに合わせて最適な加工方法を提案しています。
鞣しの種類一覧
渋鞣し(ベジタブルタンニン鞣し)
自然植物由来の渋(タンニン)を利用しや鞣し方法で、古くからある鞣しの方法です。革に厚みや弾力を持たせることができますが、革が硬くなり、納期がかかってしまうのが難点です。
【主に使用される製品】ベルト、手紐、紳士用バッグなど
クローム鞣し
現在最も広く使用されている鞣し方法です。化学薬品を使っているため鞣し期間が短く、柔らかく上部な革になります。半面、クロムが使われているため、廃棄処理が大変になります。
【主に使用される製品】革靴、ジャケットなど
コンビネーション鞣し
上記の渋鞣しとクローム鞣しを両方施すハイブリッドな鞣し手法で、現在の革製品の多くがこの手法で鞣されています。先に渋鞣しをした後にクローム鞣しを施すと厚みが、逆の工程だと強度が出ます。
【主に使用される製品】全商品
ノンクロム鞣し(鉛なし)
化学薬品を使って鞣す方法ですが、クロムを使わない薬品を使用するので、金属アレルギーが気になる方やお子さんにの肌に優しい鞣し方法です。ただし、革っぽくなくなり、ビニールの様な感触になってしまいます。
【主に使用される製品】子供用靴、肌に触れる製品など
仕上げ加工種類一覧
オイルレザー
鞣しの段階や、最終段階にオイルをなじませる仕上げ方法です。より滑らかな肌触りになり、傷に強くなります。
【主に使用される製品】レザージャケットなど
ガラスレザー
鞣し後の乾燥工程をガラスやホーロー加工を施した鉄板に張り付けて行い、吟面(革の表面)を少し削って合成樹脂などで仕上げる革を指します。ガラスレザーは、樹脂仕上げを施した上品な光沢感が特徴的な革素材です。
【主に使用される製品】靴、バッグ、手帳
エナメルレザー
本革にエナメル樹脂で加工、コーティングをした革のことで水に強く、美しい表面が特徴の革です。
【主に使用される製品】靴、バッグ
シュリンクレザー
鞣しの段階で革を特殊な薬品につけることで、革の表面を収縮させて独特のシボを出した加工を施した革のことです。ナチュラルなシボ目によって、傷が目立だちにくく、革全体が上品かつ柔らかい雰囲気に仕上がります。
【主に使用される製品】靴、バッグ、財布
ブライドルレザー
革の表面に白く油脂成分が固形化した「ブルーム」が噴き出しているのが特徴です。
【主に使用される製品】靴、バッグ、手帳
ヌメ革
植物の渋に含まれる成分のタンニンでなめした皮革です。特徴はその丈夫さです。素材自体は固いのですが、太陽の光を浴びたり、素手で触ることで油がつくことで変色します。しかし、この傷や変色自体もヌメ革の風合いとして味わいが増す素材です。 【主に使用される製品】靴、バッグ、財布
スエード
鞣した革の内側をサンドペーパーなどで磨いて毛羽立てたものをいいます。
【主に使用される製品】靴、バッグ
ヌバック
スエードが革の内側を起毛させるのに対し、ヌバックは革の外側(表側)を目の細かいサンドペーパーなどで削ったものを言います。スエードよりも起毛のキメが細かいのが特徴です。
【主に使用される製品】靴、バッグ
型押し
型押しレザーはもともと傷がついた革や質が悪い革などを、見た目を良く見せるために始まった革加工です。クロコダイルなど高額な革に似せて作られる型押しレザーは、高額なエキゾチックレザーに似せて安価です。
【主に使用される製品】靴、バッグ